ソーシャルレンディングというものをご存じでしょうか。景気が上昇傾向にある昨今、このワードをよく耳にするようになってきました。
日本では、ここ数年である程度メジャーになってきましたが、まだまだこのソーシャルレンディングについてよく知らない方も多いのが実情ではないでしょうか。
今回はそんなソーシャルレンディングとはどんなサービスになのかについて解説し、ソーシャルレンディング業界最大手である「maneo」について紹介していきたいと思います。
この記事の目次
ソーシャルレンディングとはいったいなんなのか
ソーシャルレンディングとは、ネット上で「お金を借りたい人やお金を借りたい企業」、ネット上で「お金を貸したい人やお金を貸したい企業」を結びつける融資仲介サービスのことです。
ソーシャルレンディングは別名クラウドファンディングとも呼ばれ、最近ではこの「クラウドファンディング」という名称のほうが一般的となっています。
ソーシャルレンディングは投資の一種になりますが、一般的な投資である株式取引やFXなどに比べてリスクが少なく一般の投資家にとって参入障壁が低いことが魅力です。この参入障壁の低さとプロジェクト単位の投資で自分が何に投資していることが明白になることから、近年はそのシェアを急激なスピードで拡大していきました。
ソーシャルレンディングは欧米でそのサービスをスタートし現在でも拡大傾向にあり、総融資残高は、2005年で1億1800万ドル、2006年2億6900万ドル、2007年には6億4700万ドルにものぼっており、2010年においては総額58億ドル規模になると予想されていました。
また、ソーシャルレンディングはいくつか形態にわかれており、投資家の好みに合わせて選択することが可能です(※ソーシャルレンディングを提供している会社がどの類を利用しているかについては、検討する会社のHPを参照してください。)
・マーケット型
・オークション型
・貸付型・ファンド型
上記3つの形態に分かれており、それぞれ特徴があります。
マーケット型・オークション型・貸付型ファンド型は一体何が違うのか
wikipediaの説明が比較的わかりやすく書かれていますので、そちらを引用致します。
マーケット型とは何か
※下記、wikipediaより引用
サービスの運営会社が審査をし、借り手個人の格付けを行うが、貸し手個人がどの格付けにいくら、どのくらいの金利で貸付けを行うかを決定する。格付けを得るために、融資希望者は借りたい額と必要な個人情報を運営会社へ送信することが求められ、運営会社は送られてきた個人情報と信用情報機関への問い合わせによって格付けを決定する。貸す側は希望するリスクリターンに見合った格付けと金利、融資額を自分で決め、貸付けを行う。運営会社はこのように出資された金額を束ね、貸付け希望条件にあった借入をマッチングさせる。
この形式がマーケット型と呼ばれるのは、貸し手のリスク許容度や希望利回りに応じて金利がタイムリーに変動し、あたかも株式市場のような動きをするからである。もちろん、資金需要者として借り手が貸し手の金利設定に影響するので、金利がマーケットシステムによって公正に決定される仕組みになっている。
オークション型とは何か
※wikipediaより引用
融資を希望する側は借り入れの目的や信用度をコミュニティ内にアピールし,貸し手側はそれらを判断材料として投資・融資先を決定する。
利率はオークション形式、すなわち貸し手側による入札(ビッディング)で決まり、通常、一番安い利率でビッドした貸し手(一人とは限らない)が貸し付けの権利を得ることができる。貸し手は、借り手の借り入れの目的・信用度・バックグラウンド等を考慮して利率を入札するが、その際、名前、住所等の個人情報は一切公開されない。金融市場の相場や一般利率に左右されないので、優良な借り手であれば低金利で資金調達が可能である一方、高利率のビッドが確定し、貸し手が高い利息を受け取れる可能性もある。この他にも家族間・友人間での貸借を行う場としても活用されている。
貸付型ファンド型とは何か
※wikipediaより引用
サービスの運営会社が借り手の企業を審査をし金利、金額、期間等を決定する。貸し手はその条件を見てその案件にいくら出資をするかを決定する。融資希望者は借りたい額と必要な企業情報、事業計画を運営会社へ開示することが求められ、また場合によっては保証人を立てること、担保の提出を行う。運営会社は上記情報をもとに厳しく審査した上でファンドの形で貸し手に案件を提出する。日本の文化、実態に合わせて生まれたソーシャルレンディングの新しい型といえる。
なお、国内の投資型クラウドファンディング事業者について、貸金業法に基づき融資してその利息を収益とする形式を貸付型、同法に基づかず国内・海外の事業者などに投資してその配当を収益とする形式をファンド型(株式投資型、狭義の投資型[2])と呼ぶ分け方が提唱されているが、一般に根付いているとは言いがたい。なお、東洋経済では投資型クラウドファンディングを融資(貸付)型、ファンド型、株式(エクイティ)型に区分している[3]。
敢えていうならクレジットカードなどは貸付型ファンド型になるんでしょう。クレジットカードの場合は、投資ではないので少し意味合いが変わりますが、サービスの運営会社が借り手の企業を審査をし、金利、金額、期間等を決定するあたりは一緒ですね。
maneoはオークション型に位置します。
maneoが提供するコミュニティであるmaneoマーケットを利用して、お金を貸したい投資家とお金を借りたい企業を結びつけます。
借り手は案件の情報を公開し、貸し手は提供されている情報、及び自身の知識を活用して投資を行うかどうかを判断することができます。
また、投資家が多ければ借り手側(企業側)の金利は低くなり、投資する側(投資家)が少なければ借り手側(企業側)の金利が高くなるというシステムです。オークションやもしくは競馬などを嗜む方にはイメージがつきやすいかもしれません。
ソーシャルレンディング大手maneo(まねお)とは
maneo(マネオ)は、インターネット上で「お金を貸したい投資家」と「お金を借りたい企業」をマッチングさせる金融サービスを提供しています。
日本で初めてソーシャルレンディングを開始して業界を牽引してきました。現在は、ソーシャルレンディング最大手企業として、色々なメディアに露出しています。
2008年にソーシャルレンディングサービスを開始し、2016年7月には成立ローンの総額が500億円を突破しました。たった8年でこの金額はすごいなっと関心します。
maneo(マネオ)は基本的には企業への貸付のみを行っており、個人への貸付は行っていません。設立当初は個人への貸付も行っていましたが、現在は企業のみへの貸付に限定しています。
事業形態としては不動産担保融資が多く、主に不動産プロジェクトへの融資をメインに行っています。
また、2016年10月にはGMOクリック証券と事業提携を行い、GMOクリック証券によるmaneo(マネオ)の取り扱いが開始されています。どういうことかというとGMOクリック証券に口座をもつ投資家が、直接maneo(マネオ)が提供するプロジェクト投資に投資することができるというものです。
maneo(マネオ)を利用することによる投資家のメリットは何なのか
maneoへの投資はプロジェクト単位での投資になりますので、当然のことながら投資を検討する材料として、ある程度プロジェクトの概要が公開されます。つまり投資家としては自分が何に投資を行っているかが明白になりますので安心して投資を行うことができるのです。また過去の返済実績が明白になることからも貸し倒れのリスクを未然に抑えることができます。
そして、最大のメリットは投資家自身で借り手を選ぶことができる点です。銀行や投資ファンドの経営しているような気分になることができ大変評価が高いです。※投資というものは投資家を主体とすべきであり本来は借り手が主体ではないのです。
また、maneoで募集している投資期間は、短期貸付によるものが多く早い段階で資金を回収をすることができます。maneoの場合、一般的に3ヶ月〜1年という期間が多いです。
maneoの運用利回りは0.5%〜0.8%がほとんどあり、案件によってはこれ以上の利回りが用意されている場合もあります。
短期の貸付であってもこれだけ利回りが回れば、投資家にとって十分な見返りが期待できます。
maneo(マネオ)を利用することによるデメリット
大きく二点あるかと思います。
一点目は分散投資ができないところにあります。maneoはプロジェクト単位での投資になりますので分散投資を行う場合は、自分で考えて行う必要が必要があります。
二点目はmaneo自体が倒産する、つまりデフォルトを起こした時に投資した分が返ってこない可能性があります。ソーシャルレンディングによる投資といっても、あくまで投資ですのでリスクはつきものです。このあたりはしょうがないのでデメリットとはいえないかもしれませんが。
ただ、私個人での予想ですが、現在ソーシャルレンディングを行っている会社は多くあります。有名なところでクラウドバンク、クラウドリース、アメリカンファンディングでしょうか。
maneoのシステム提供を受けている会社もありますのでなんとも言えませんが、まずソーシャルレンディング事業で一番最初にデフォルトを起こすのはmaneoではないと予想します。maneoがデフォルトを起こす前に同業他社が最初にデフォルトを起こす可能性のほうが高いので、ソーシャルレンディング業界の動向を常にチェックすることで資金を回収する段階(ソーシャルレンディングへの投資を控える時期)を判断することは十分に可能ではないかと思います。
ソーシャルレンディングは日本でも拡大傾向にあるとはいえ、まだまだ新興市場になります。これから先どんどんメジャーな市場になっていくことが予想されます。投資に対して今まで消極的だった方もmaneoが提供するソーシャルレンディングであれば、自分が何に投資するのかが明白なため、投資の入門として利用するものありなのではないでしょうか。
以上、「ソーシャルレンディング最大手である「maneo(マネオ)」とはいったいどのようなサービスを行っているのかを解説します。投資家の方必見です。」でした。